コノシタヤミ

木下闇

　そろそろと向きを変えかけて、コンビニ袋を思い出す。

　音を立てないようにしないと。

　見下ろして、木の影が、つま先近くで揺れていることに気がついた。

（……こんな近くだったっけ？）

　いや、一歩も動いていないはずだ。

　見間違いだろうか。
　どっちにしろ、早く帰らないと、アイスが溶けてしまう。

　こんな暑くっても、木の枝が揺れるくらいなら、影に居るあの子供も、熱中症とかにはならないだろうし。