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「ふっ……私のような者が変態仮面様の名を語るなど恐れ多い」
細身ながらも筋肉のついた体を月明かりに照らされながら、変態男はブリーフ下の唇を笑みの形に吊り上げる。
震える女性の体を地面にそっと下ろすと、その変態男は右手の中指を顔の前に立てた。
「さあ逃げろ女よ。ここは私に任せるがいい」
女性に振り返らず、変態男が告げる。
呆然と地面に座り込んでいた女性は、目の前でぷりんと揺れる、紐パンからはみ出た肉付きのいい臀部に、顔を強張らせた。
「ひっ」
震えながら、女性は慌てて立ち上がる。もちろんその震えが、突然現れて自分を助けてくれた見知らぬ男に感謝で打ち震えているから、なんてわけではない。
「いやああああッ!」
女性は絶叫しながら、走って公園から逃げていく。
「あっ、くそ!」
獲物が逃げたことに、不良男達は盛大に舌打ちをする。いきなりあらわれた変態男への戸惑いは、女性を逃がされたことにより怒りへ変貌する。
「舐めやがって!」
「まだ舐め(フェラし)てなどいない」
「覚悟しやがれ!」
変態男へそれぞれの怒りを向けて身構える不良男達。そんな彼らに、変態男はふっ……と笑う。
その瞬間、変態男の姿が消えた。
「なっ……?」
驚く不良男達。だがその中の一人が、突然呻き声と共に倒れる。
「お、おいっ!?」
見れば倒れた不良男は、ぴくぴくと体を揺らしながら、地面に仰向けに転がっていた。股間のチャックは全開で、そこから萎えた息子が力なく飛び出している。
「な、何が……」
「今、舐めた」
「ひっ!?」
倒れた不良男を見つめていた残り四人は、背後から聞こえて来た声に体が跳ねた。慌てて振り返って距離を取れば、中指で唇を拭う変態男の姿がそこにある。
「口ほどにもない」
変態男は唇から顎にかけて伝っていた白いそれを、中指で拭って舐め取ると、身構える不良男四人に改めて向き直った。顔の前に中指を突き立てる。
「貴様らには、指一本で充分だ」
中指の先をクイッと曲げて、変態男は挑発にも似た言葉を、楽しげに吐き出した。
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