変態は深夜の公園で

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「ふぅ……」  変態男は肩を竦めながら息を吐き出すと、月の輝く夜空を仰ぐ。 「今宵も、この街の平和は守られた」  変態男は、女性を助けようと風を起こすために使ったコートへ歩み寄ると、それを拾い上げて勢いよく羽織った。 「あ、あの……」  すると、地面にへたり込んでいる女性に、話しかけられた。 「あ、ありがとうございました。あなたのおかげで、わたし……」  じわりと両目に涙を浮かべ、女性は変態男を見上げる。 「あなたのお名前は……?」 「名乗るほどの者ではない」 「そんな……」  変態男は、羽織ったコートを脱ぐと、女性に歩み寄った。引き千切られて上半身が露わになっている女性の肩へ、そのコートをふわりと載せる。 「――そうだな、敢えて名乗るとするならば」  女性に背を向けた変態男は、一度女性へ振り返り、 「掃除屋(スイーパー)とでも、呼んでくれ」  そう言い残して颯爽と、前の破れた紐パンと、ブリーフの姿で、去って行った。 「スイーパー……変態……変態だけど……」  肩に掛けられたコートを握り締めて、女性はただただ、去って行った変態男、もとい掃除屋の男の背中を見送った。  コートの裏ポケットから重い音を立てて、アナル用バイブが転がった。 * * *
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