快楽の恩恵

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『欲しいっ!欲しい…ッ!欲しい!!』 聞いた事のない種類の声で、力の限り叫び、私を捉えようとする彼女の肢体を、住職様は必死で引き離し、一気に除霊らしき事を始めます。 こんなシーンを見るのも初めてです。 震える暇もないと思いました。 すぐさま、不思議な絵でも見ていたかの様に辺りは静まりかえりました。 ぐったりする彼女を他所に住職様はお話を続けられましたが、その手は優しく彼女を撫でていました。 それがあまりにも美しく、私は見惚れていました。 彼女なら、こうした事に慣れているから心配ないと微笑んだ時、お二人の間にある信頼関係が見えたようで、素敵だなと思ったものです。
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