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あの住職様と彼女は、未だ共に暮らすには至ってないようです。
何故なら、彼女は既婚者だからです。
不埒な事だと思われるかもしれませんが、人の道を外れたら人ではない、という風には私は思いません。
彼女はその罪滅ぼしと考えているのか、時折こうして、誰かの肩から荷物をおろすお手伝いをしているんだと、話していました。
さて、私のその後、現在ですが。
会社は違えど、また化粧品販売をしています。
あの頃、好んで着ていたのは黒のパンツスーツでしたが、今は桃色のカーディガンなどを羽織り、営業活動に勤しんでいます。
お客様の夜のお供をする事も、もうありません。
あの彼とは直後にお別れしました。何故なら、既婚者だからです。
今は娘と暮らしていますが、彼女も間も無く成人します。
娘はどちらに似たのか、とてもいいオンナ、に成長しました。
あの日、私に宿ったこの命は、さて、どちらが堕としたものなのかと見惚れて止みません。
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