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これは神様が俺にくれたチャンスじゃないのか。
俺は彼女の後ろにそっと並び、意を決して話し掛けた。
「た、橘さん。」
一瞬キョトンとした顔を向けられ、しまったと思ったが、次の彼女の言葉に天にも昇る心地になる。
「あぁ、高橋君。高橋君もいつも同じ車両に乗ってるよね。」
俺の事覚えてくれてたどころか、同じ車両に乗ってる事も知っててくれた。
嬉しさで飛び上がりたくなるのを堪えながら平静を装いつつ、疑問に思ってた事を質問してみた。
「ところでこの行列は何?寝過ごしちゃったみたいでここが何処かも分かんないんだよね。」
俺は参ったなぁといった感じで頭を掻いた。
「えっ?高橋君駅名見てないの?」
「?いや、なんか靄かかってるみたいで見えなかったから・・・。」
「そっか。高橋君寝てたから覚えてないんだね。この駅の名前は・・・」
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