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『それではこれにて、抽選会を終わりといたします。なにか質問などはございますか?』
村長の威厳のある声が会館に響く。
誰も異議を唱えたりはしない。誰も手を挙げるものはいない…はずだった。
ガラガラガラ…ゴン!!!
『はい!!はいはいはいはぁい♪』
厳かな雰囲気にそぐわない明るく曇りのない返事。
後ろのドアを思いきりよく開けたのは麗駅にいたあの外部の女性であった。
『あのっ!私、自己紹介してもいいですか?
日本流水協会水質調査本部第2部隊現地派遣調査官(ニホン・リュウスイ・キョウカイ・スイシツチョウサホンブ・ダイニブタイ・ゲンチハケンチョウサカン)の山中こよみ(ヤマナカコヨミ)です!!麗水村担当になりましたのでどうぞよろしくお願いします♪』
全員がポカンとしている。
いきなり変な女が入ってきたから…それもあります。
村の人間ではなかったから…それも理由になるでしょう。
だけどそれだけじゃありません。
村長が口をあんぐり開けたまま言います。
『こ…こまり?こま…なんで小毬が…』
『こ…まり?私はこよみです!!!こ・よ・み!!!』
小毬って誰かって?
野久保小毬(ノクボコマリ)。
この村に住んでいた女の子。
13年前のイケニエ。
『なんで…なんで小毬がいるんだよ!!!お前は誰なんだ!!!』
誰かが叫ぶ。その声につられて四方八方から『誰だ!』『なんで小毬が…』『そんな…まさか…』と声が飛ぶ。
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