―3[家族]―

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『ただいまー!!!』 萌果は元気よく家の扉を開けると靴を脱いでパタパタとリビングへ走る。 リビングには母親がいた。そして父親も… 『あれ?パパどうしたの?今日はお仕事おやすみなの?』 お父さん大好きな萌果はこの時間にお父さんがいる事が嬉しくて駆け寄って隣に座る。 『あ、あぁ…今日は仕事が早く終わったんだ…』 いつもならニコニコ笑って頭を撫でてくれる父親が暗い顔をしていて萌果は不安になる。 『パパ?どうしたの?』 変なパパ…と言いながら隣を見ると母親の目は真っ赤に腫れていた。 『マ…マ?どうしたの?パパもママもなんか変だよ…』 萌果が心配そうに両親を交互に見る。 『いや…なんでもないんだ。ところで萌果は今日はどこか出掛けるのかな?』 父親が無理に作り笑いをして萌果に聞く。 『あ!そうだった!今日は悠太と遊ぶの♪』 『悠太じゃなくて悠太君でしょ?』 母親も必死に笑顔を作って言う。 『悠太が良いって言ったんだもん♪』 そう言うとソファーから降りてパタパタと2階へ上がり小さなバッグを持って降りてくる。 『パパママ行ってきます♪』 軽い足取りの萌果が外に飛び出す。 …パタン… ドアが閉まる音がした。
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