―1[イケニエ]―

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悠太と萌果が学校で勉強をしている同時刻、集会場には大人達が何十人も集まっていた。 一番前の髭を生やしたこの村の村長、米俵邦彦(コメダワラクニヒコ)は厳かに紙に書いてある文字を読み上げた。 『遠堂萌果』 その言葉に若い母親が崩れるように座り込む。隣にいた父親は拳を握りしめ震えている。 この瞬間に決まった[遠堂萌果]の運命… また今年も決まったイケニエ。彼女の命はあと3ヶ月…
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