第4章

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ソラの不器用敬語は小学生時代からの筋金入りで、家族はもちろんのこと、塾や家庭教師も首を傾げるほどの不器用さなのだ。 古典や現代文、漢文でさえ高得点を叩き出す成績を持っていながら、敬語の使えなさはある意味才能で。 直したい、直さなきゃ、と常々思っていたが全くうまくいかなくて今に至っているのに。 「今週中に合格できたら、来週にお披露目する!ワタル、楽しみにしてて!」 「うんうん!!楽しみにしてる!!」 今日は月曜日。今週は始まったばかりなので、合格を貰えるチャンスはまだまだある。 10年来の付き合いだった不器用敬語。いよいよさよならの季節がやってきたようだ。 顔がふやけているソラを更に一撫でした。 「ちょうど土日もあるし俺がソラの好きな食べ物、何でも作るよ!!」 「ほんと!?おれカツカレー食べたい!!やっぱりカレーは家の味の方が好きなんだ!」 「わかった、任せて。とんかつも手作りするから」 「やったあ!!」 ソラのことだから、小学生の作文や日記と同等の言い回しで喋れる程度だろう。しかしそれで充分に嬉しい。 双子の兄の小さな成長に、心からの祝福を送ったのであった。 ────────まあ。よくよく考えれば小学生レベルの言葉遣いじゃ、副会長が合格点を出す筈が無いのだが。浮かれていたので考えがそこまで及ばなかったのである。
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