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私にもわかっていた。きっとあなたはほの明るい炎に焼かれている。それはあなたにとっての救いだから。そんな苦痛が好きな、愚か者だから。
ねぇ、私は煙草の火を消した。もう一度だけ、言うわ。私の言葉に、あなたは静かに首を振った。いつだかに見た、困ったような顔がそこにはあった。紫煙はどこかにふわふわと漂い、天井にぶつかって広がった。ほんとうはどこかにいけるなんて、私にだってわからないのに。ごめんなさいと言って、あなたは小銭をおいて席を立った。いくつかの金属音が私の脳内に響く。もう時間なんです。ごめんなさい。あなたはそっと脱いでいた上着を羽織ると、銀色の煙草をポケットに収めた。そのまま席を立ち、私にさよならと言った。
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