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「聖人さんって、おいくつなんですか?」
「今年で25ですね」
「あ、そうなんですか!?じゃあ私と一緒だ!」
マリコさんは照れくさそうにはにかんだ。
とてもモテそうな子だなと思った。
「もっと若いと思ったよ」
「やっぱり、よく幼い顔って言われるんですよねー」
「可愛らしくていいと思いますよ」
間髪入れずに深く考えずに言葉を入れてしまったことをすぐに後悔した。
マリコさんは少し面食らった顔をしたが、すぐにまたはにかんだ。
「さすが営業マン。お上手ですね」
「いやいや、ホントだって」
まぁ、嘘ではないけど…
少し気まずくなって、俺は慌ててビールを口に運んだ。
「聖人さんって、出身どこなんですか?」
「え、あー。静岡だけど…。マリコさんは?」
「私は佐渡ヶ島です!あ、すみません生一つ!」
佐渡ヶ島!?
と思わず食いつきそうになる前に、マリコさんはすかさず店員を呼んだ。
「おかわり、ですよね?」
ふと自分の手に持つジョッキを見ると、もうほとんどビールがなくなっていた。
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