本当に便利？

新作会議

「新型は、Ａの方が良いと思います。」

「私は、Ｂの方が良いと思います。」

「Ａは確かに便利ですが、よく説明書を読まない人が多いので、トラブルの原因になります！」

「どんな製品も使い方を間違えるとトラブルに巻き込まれます。それは、使う側の責任です！」

「科学の進歩を考えると、より便利な物を世に送り出すべきだと思います。」

ここは、Ｖ会社の開発研究室。議論のすえ、圧倒的賛成で、Ａが新型に選ばれ、大々的に売りに出された。

翔太が、いつものように健太に携帯電話でメールを打っていたら、メールが送られてきた。健太からであった。打つのをやめ、メールをひらいてみると、
「メールを送らないでくれ！」
とだけあった。