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それから数日後、相変わらず暑さに負けてしまっている正大に、和大は団扇で風を送っていた。
「今日は風がないなぁ」
「そうだな」
「拓海さん、どうだったかな?」
「・・・・・・どうだろうな、でも、大地さんの目は確かな気がする」
「そうやね・・・・・・あー、風が吹いてくれればきれいな音が聞けるのに」
「・・・・・・いや、もうその音色だけではごまかされない気がする」
「いや、ごまかしってことはな・・・・・・あるね、うん」
二人は眩しいぐらいの青い風鈴を見つめて笑った。
野路菊堂は、今日も平和です。
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