瑠璃唐綿

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「写真通りの記念撮影している場面以外にも、地図なんかを見てどこかへ向かってる途中と思われるところとか、何か飲もうとしてる様子なんかも見えたな」 「うん、道に迷ったのかな?拓海さんがリードするんだけど結局大地さんが冷静に判断してるのかなって感じの会話に聞こえた」 「見ている分には違和感はなかったし、楽しそうだったな」 「そうだね、会話の内容も二人のいつも通りなんだろうなって雰囲気があったし、声の調子にも違和感はなかった」 正大と和大は、自分に『見えたこと』『聞こえたこと』を思い返すように目を閉じていた。 「あ、でも」 和大は何か思いついたのか目を閉じたまま首を傾げると話し始めた。 「二人の会話の中に直接声は聞こえてこなかったんだけど、女性の笑い声が聞こえてきたんだよね、何度か・・・・・・しかも楽しそうな感じの」 「女性ということは彩花さんってことになるのか」 「そうだね、なんか微笑ましいって感じの笑い方だから・・・・・・仲の良い人だろうし。この三人が特に仲が良かったみたいだから」 二人は置かれた写真に改めて目線を落とす。
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