瑠璃唐綿
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急いで帰ろうとする和大を馨は店の外まで見送っていた。 「ありがとう、馨くん」 「いや、よかったよ、明るい表情に戻ってくれて」 変わらぬ穏やかな笑顔はいつも和大たちを落ち着かせてくれる。 「また、お礼に来るから」 和大は軽く手を振ると走り出した。 「気をつけてな」 馨はそう声をかけると、暗くなりライトが灯り始める店先の花壇に目をやる。 そこに咲いていたのは、ブルースターだった。
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