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数日後、野路菊堂には拓海の姿があった。
向かい合って座るのは正大。
「拓海さん、大地さんのことをお伝えしようと思うのですが、私たちではその役目は果たせない、そう思っています」
「え?」
拓海は正大たちが何か教えてくれるのだと思ってここを訪れていたから、驚きを隠せない様子だった。
「それはどういう・・・・・・?」
大地の方が自分とは連絡を取りたくなかった、そういうことなのかと拓海の顔が曇る。
「実はあのお預かりした写真たちを元に分かったことがあって、連絡を取りました、大地さんと」
「大地と・・・・・・連絡を」
やや呆然としている拓海を前に正大は立ち上がって店の入口に向かう。
そのまま入口から顔を出した正大が店内に戻るのを何気なく拓海は目で追っていたが入口付近に人影が見えて視線を動かした。
そこにいたのは和大と、大地だった――
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