瑠璃唐綿

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「俺は、決めていたんだ。あの卒業旅行の時に。拓海に何も言わなかったのはその方がいいと思ったからなんだが、それは間違っていたようだ」 「大地?」 「だから、今伝える」 「・・・・・・」 「俺は拓海と彩花が今より一歩進むことができてから、二人に会うことに決めている」 「それ、お前が一方的に決めることなのか?」 「しょうがない、もう決めていることだから」 「・・・・・・なんかそれって・・・・・・」 「それにな、実家に帰ることになったんだ」 「え?」 「だから、このはがきを拓海に渡しておく」 「え?」 「俺の実家の住所を書いておいた・・・・・・だから後は拓海がこちら側を書いてポストに投函すればいい」 「おい」 「そういうことでひとつよろしく頼む」 「いや、俺は納得してないんだけど」 「大丈夫だ、納得より大事なのは『これから』だ」 「いや、なんか違う気がするけど」 「いいんだ、これで俺らの『いい未来』は繋がっていく」 「・・・・・・分かったよ」 「いい返事だ」 ついに折れて微笑む拓海と堂々と告げる大地は一見噛みあわないようでいて、繋がっている何かがあるように見えた。 それは、互いが互いを信じているせいなのかもしれない。
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