瑠璃唐綿

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そうして正大と和大の二人が冷たいお茶を飲んでひと心地ついていると、店先に男性が現れた。 入ろうかどうか迷っているような様子に見える。 「おっ、お客さんだ」 気付いた和大が立ち上がると男性に近づいていく。 「こんにちは、何かお探しですか?」 「あっ、すみません。ここで相談に乗ってもらえるって聞いて伺ったのですが・・・・・・」 黒縁メガネをかけた男性はシャツにジーパンというラフな格好ではあったが、背筋を伸ばして立っており緊張した面持ちだった。 「はい、ご相談の内容によっては何かお役に立てるかもしれないので・・・・・・よかったら中へどうぞ」 和大は男性の言葉を聞いて、馨や優斗の顔を思い浮かべた。 近くでカフェ・オリエンタリスを営む馨と、同じ町内で農場を経営している優斗は、和大と正大にとって恩人のような大切な人たちだ。 彼らはカフェや農場で出会った人たちに『野路菊堂』のことを伝えてくれることがある。 今回ももしかすると彼らが関わってくれているのかもしれないと和大は思った。
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