瑠璃唐綿

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男性の名前は川口拓海(たくみ)と言った。 今年大学を卒業して社会人になったという。 相談とは言えども、はきはきと話す姿から社交的なのだろうということがうかがえた。 「大学時代の友人について知りたいということなんですね」 和大は拓海の向かいに座り話を聞いていく。 正大は和大の隣に座りながらあまり言葉は発せず時々頷きながらメモを取っていた。 「はい、社会人になってから連絡を取り合う頻度は確かに減ってはいたのですが、最近になって連絡がつかないことに気付いて・・・・・・」 「忙しい時期でしょうし、そうでしょうね」 「そうなんです、なので相手も忙しいのだろうと最初はそれほど気にしていなかったのですが・・・・・・電話が繋がらなくて、番号も変えてしまったようで・・・・・・」 「そうですか・・・・・・」 「大学時代はだいたいいつも一緒に過ごしていたし、卒業後もすぐに連絡はつくと思っていたので、携帯ぐらいしか知らなくて・・・・・・いや、住んでいるだろうアパートは知っているんですけど・・・・・・他に共通の友人にも尋ねてみたんですが電話番号なんかは分かってないらしくて」 「なるほど」
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