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「突然・・・・・・いや、突然ではなかったのかもしれません。俺自身が新しい環境に馴染むのに必死だっただけで気付いてなかったのかもしれませんが・・・・・・何かあったのなら相談してほしかったし、俺が原因なら言ってほしいし・・・・・・もう一度話がしたいんです」
「わかりました、何か手がかりになるようなものを見つけられるよう調べてみます」
真剣な眼差しの拓海に、和大はしっかりと目を見て頷くと正大の方を向く。
正大はその視線を受けて同じようにしっかり頷いていた。
「それでは、何か白井さんに関わりのあるものはお持ちですか?」
正大と和大の力を発揮するためには、知ろうとしている人や動物、ものに関係するものが必要だった。
「はい、えっと・・・・・・学生時代の写真を持って来たんですけど、大丈夫でしょうか?」
「はい、もちろん・・・・・・もしかして彼が白井さんですか?」
「そうです」
拓海が机の上に出してきたのは十数枚の写真の束だった。
拓海と大地が二人で写っているものや、大人数で写したもの、さらには拓海と女性が写ったものもあった。
拓海の隣に大地が立っているものが大半のようだった。
「自撮りしたものもありますけど、大地が写してくれたものもあるし、友達同士撮り合ったりしたものもあって、色々なんですけど・・・・・・」
写真を手に取りながら話す拓海の顔は懐かしさを浮かべつつも、やや寂しさを漂わせていた――
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