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蒼依は無表情のまま、女性の艶のある小さな口から零れる音を止めた。そして右手を首の根元へ当てながら真っ直ぐ女性の目を見た。
「・・・・・そうですか。それでは、ここがどこかはご理解いただけたでしょうか?」
女性は言葉を被せられたことは気にしていないようで、優しく微笑みながら問いかけた。
心配してくれているんだろう。だが、自分でも驚くほど落ち着いている。話を聞いて思ったのは死んでしまったのだと言うことくらいだ。
取り敢えず、死んだ後は案外こんなものかもしれないなと思うことにし、女性の問いかけに無難な答えを出した。
「死後の世界・・・ですかね?」
「世界と言ってしまうとそれは違うのですが、死後でしか来られないという意味では正解ですね。ここは貴方たちの世界で言う創造神様が作られた特別な空間なのです。」
女性はこの場所についてわかったことは、
ここは世界と世界を繋ぐ少し歪んだ空間で、普通は死んだ人間も来ることの無い場所。
ここへ来るのは勇者召喚などによって別世界へと呼ばれた者が通る場所。
あとは別世界へ転生することになった者をこの女性が意図的に呼んだ時のみ来られる場所なそうだ。
(どんなファンタジーだよ・・・・・・)
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