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因みに、転生者は魂だけで来て居る為勇者召喚された者よりは負荷が少ないためここに来れるだけだそうだ。体を持ったままこの空間に入ると破裂し、体のありとあらゆるものが飛び散り唯の肉片となるらしい。
何が恐ろしいって、それをとてもいい笑顔で説明するこの女性が一番恐ろしいです・・・。
長い説明を最後まで聞き終わり、最初とは打って変わってとても恐ろしく見える女性から少し目を逸らすが女性は少し首を傾げるだけで終わった。
「これでご理解いただけたと思うのですが、この空間に貴方が居る理由は記憶を保持したまま第二の人生を良いものとしていただく為なのです」
「・・・なるほど、わかりました。それじゃあ、特にこの場で何かをお願いされたりするわけではないんですね?」
「ええ。ここでは彼方に力をお渡しするだけです」
女性はニッコリと微笑みながら、今までの話を頭の中で整理している蒼依が理解するまで急かす事無く待っていた。
そして、蒼依がなるほどと顔を上げると「それでは」と話を再開した。
しかし、蒼依が女性が話し始めるのを手で遮り、重要な話をするような真面目な顔で女性に質問をした。「貴方のお名前は?」と。
「・・・・・え?私の名前ですか?」
蒼依の重苦しい雰囲気に何を聞かれるのかと、少し身構えていた女性はそんなどうでもいいと取れるような質問に拍子抜けした。
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