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煙草の味を堪能しながらこの後のことについて整理する。
まだ残っている△△社と??社へ向けての資料作り。三時からは外回り。そしてそれが終われば今度のプレゼンの資料作り・・・。まだまだやることはたくさんある。
そうやって頭の中を整理し、まだ残る仕事の量に大きなため息がこぼれそうになった時、
「お!ひさしぶりだなー!」
そう声を掛けられ振り返ると茶髪の男が片手をあげ親しげに笑いかけてきた。
「ああ、なんだお前か」
「お前かってなんだよ!失礼な!」
声を掛けてきたのは高校時代からの親友、中井だった。中学の頃から学校は一緒だったのだが、その頃はほとんど話したことがなかった。話すようになったのは高校2年の夏からだ。それから同じ大学の同じ学部へ入り、会社も部署は違うが同じ所へ入った。
ちなみに、俺は此奴の事を中尉と呼んでいた。苗字の読みを変えただけの安直なあだ名だ。流石に今は普通に中井と呼んでいる。
中井とは最近会社全体が忙しくほとんど顔を合せなかったこともあってか、話していると不思議と落ち着く。
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