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ようやく順番が来たと一層ソワソワとしながら子供は門番の質問に内心めんどくさいと思いつつもこれが終わったら・・・と思うことにし、逸る気持ちを抑え質問に答えていく。
「名乗るほどの者ではない!・・・・・・ごめんなさい、アオです」
声を低くし、一度行ってみたかったセリフてを言ってみるも門番の鋭い目つきにビクッと体を震わせ、すぐに答えなおした。
子供の名前を聞き、門番はジトッとした目を向けながらもすぐ脇に設置されていた机に置いてあった羽ペンで持っていた紙に書き込んだ。
「歳はいくつだ?」
「ピチピチの21歳でーす」
「・・・・・」
ピース付きで答えるとまたジトッとした目で見てくるので「気持ち的には・・・」と横を向きポソッと呟くと大きなため息を吐かれた。
「・・・・・まあいい。ここへ来た目的は?」
門番は手に持っていた紙には何も書かずに次の質問をしてきたため、アオはむくれた顔をしながらも街に入る為だと自分に言い聞かせ素直に質問に答えていく。
「なんか凄そうだったから?」
「・・・はぁ」
首を傾げながらそう答えると門番は手を額に当て、重い溜息を吐いた。
その反応にアオはムッとしながら「適当に森を歩いて来たら見えたんだもん」と言うと門番は呆れているのを全面に出したポーズから勢いよく顔を上げ、ガッとものすごい形相でアオの両肩を掴み詰め寄った。
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