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アオは細長い棒状の少し弾力のある白いウバナと、青緑の丸いリゴンが二つずつ入った紙袋を受け取ると、少し形の崩れた硬貨を渡し店から離れた。
さっそく紙袋に入った果物を食べようと袋の中をガサガサと探っていると、急に横道から飛び出してきた男とぶつかり、持っていた紙袋を落としてしまった。
そして飛び出してきた男は、ぶつかった拍子に落とした紙袋から出てしまった果物を呆然と見つめていたアオを抱き上げると右手に持っていた峰の部分に凹凸のあるナイフ―――サバイバルナイフを首に軽く当て興奮気味に叫びだした。
「動くんじゃねぇ!!そこから一歩でも動いてみろ・・・この子供の首を掻っ切るぞ!」
「っ!お、落ち着くんだ!」
男が出て来た横道からまた3人の男が出て来てナイフの男に近づこうとするが、ナイフの男がアオの首にグッとナイフを押し付けるのを見て立ち止まった。
3人の男は落ち着くようにと優しく声を掛けるように心がけ、なんとか捕まっている子供を助けなければとナイフの男の隙を窺う。
そんな緊迫した空気の中、一番危険な状況にいるはずのアオは未だに落ちてしまった果物を見つめ「俺のおやつ・・・」と呟いている。
「おいガキ!お前も死にたくなかったら大人しくしてろ。いつ俺の手元が狂うかわからないからな!あひゃひゃひゃひゃっ!」
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