はじまり

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 男を追いかけてきていた3人のうちの一人がアオにそう声を掛けるのと同時に、アオの背後から襲いかかった男はその場に倒れこんでいた。その横には青緑の果物を頬張るアオが立っていた。 「あんたしつこいぞ」  男が白目を向いて倒れたことに理解ができていなかった周りの人たちも、アオの言葉にハッとして歓声を上げた。 「君凄いな!」 「小さいのにすごく強いのね!」 「怪我がなくてよかったわ!」  周りの反応にびっくりしたのかアオは「うおっ」と声を上げつつも、周りのすごいと言う言葉に得意げな表情を作った。  そのままアオが観客に片手を挙げ返事を返していると、その人垣を掻き分けてアオの前にガッシリとした体系のひげを生やした赤色の警備服を着たオジサンが出て来た。  赤い警備服はその国の警備部隊を表している。国によって制服のデザインは違うが、色は世界共通の役割を示している。  因みに青は門兵隊で門の周りを管轄にしていて基本的には国へ出入りする者の取り調べをする者たち。白は王室騎士団で基本的には王城の中で生活をしていて白制服を見られるのは王城へ入る為のもう一つの門を守護している門兵の者くらいだ。黒は看守団で罪を犯したものを集めた収監所の見張りや時には拷問、死刑執行などを行ったりしている。     
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