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その時、横目で屋上へ視線を向けるとサングラスの男がポカンと口を開けているのと社長が目を見開きこちらを凝視している顔、そして、
中井の青ざめた顔だった。
「あおいぃぃぃぃ!!」
最後に聞こえたのは、そんな悲痛な叫び声だった。
そして、体が地面へ着くとぐちゃりという生々しい音と関節から鳴ってはいけない音が聞こえ、激痛が走った。
一瞬目の前が真っ白になったかと思うと遠くでドンッという音とぐちゃっという音がほぼ同時に聞こえ、視界にぼんやりと綺麗な青が一瞬映りそのまま暗転。意識が途絶えた。
その日の夜。ニュースには一人の男性が会社の屋上から誤って転落し、そのまま死亡したというものが流れた。テレビでは特にその事件について詳しく話すことはなく、すぐに明日の天気予報になった。
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