6人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、前に向き直ると先ほどまで何もなかった目の前に大きな白と金で彩られた不思議な彫刻のされた扉があった。扉の前で一旦足を止め「おぉぉ!」と声を出してしまったのはきっと驚きすぎて子供帰りしてしまっているのが原因だろう。きっとそうに違いない。
そのまま好奇心に身を任せ扉の裏まで走って行き、また正面まで戻ってくると今度は扉によじ登ったり手触りを確認したりとしてみた。
最後に扉を一撫ですると、何故か満足感が自分の中に浮き上がって来た。
扉を見つめながら胸を張り何故か偉そうに鼻を鳴らしていると、どこかから笑い声が聞こえてきた。
「ふふふっ。面白い方ですね」
その声は何故かこの空間に響いて聞こえた。凛としていて、だけれど静かな声だった。
どこから聞こえてくるのかと首を傾げていると、今度ははっきりと扉の方から聞こえてきた。
「ふふっ。こちらですよ」
扉の方へ視線を戻すと扉の後ろから綺麗な銀髪の女性が出てきた。
その女性は背中に真っ白で綺麗な三対の翼を生やして飛んでいた。服はふわふわと揺れる白い布で所々金の刺繍が入っていた。
そのままその女性を観察しているとふふっと少し恥ずかしそうに笑い、ゆっくり一回転して全身見せてくれた。
背中は翼が出るようにしてあるのか服が腰あたりまで◇の形に空いていた。そして髪は細い三つ編みを一本作り、後ろでお団子にした髪にその三つ編みを一周巻いて一緒に縛っていた。
最初のコメントを投稿しよう!