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4/3回転したところで正面からでは見えなかった二の腕部分に目が行った。二の腕の中心にはきらりと輝く銀の宝石が数個生えていた。
女性は何かを期待するような眼でこちらを見つめてきていた。そのことに気づき「綺麗だね」と笑いかけると女性も嬉しそうに笑い返してくれた。
しかし、女性はハッとして楽しそうだった顔を戻し、今度は真剣な目でこちらに向き直った。
「・・・始めまして。私は天界にの住人であり、天界を守護する者でございます。貴方が暮らしていた世界で言う神と言えばご理解いただけるでしょうか?」
「・・・・・かみ?」
女性が言った暮らしていた世界と言う言葉に首を傾げながらも、それより気になった”かみ”と言う言葉を口にしてみた。
「ああ、ここに来る途中に記憶を落として来てしまったのですね。とすると、まずは貴方の事から話した方が良いようですね」
女性はそう言うと腕を横へ伸ばし、手のひらを上へ向けた。すると手の少し上から分厚く重そうな本が現れ手の上へ落ちた。
女性はそれを両手で持つと一ページだけ開き、その本の内容であろう一人の男性のプロフィールを話しはじめた。
「貴方の名前はあおい。草冠に倉の蒼、人偏に衣の依と書いて蒼依。推定年齢29。性別は男。××××年3月24日死亡。死因は転落死。家族構成は――――」
「もういい」
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