夢見ガチノ白昼夢

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 寝室にアラーム音が鳴り響いた。こういった場合はどうしたらいいものか。僕の体はベッドの中で、僕の意識は空中を彷徨っている。時計に手を伸ばすも、実体に触れることが出来ない。ならば、体に戻ろうと試みるも、跳ね返されて、気付けばまた体の上を漂っていた。  体に戻ろうと飛び込んでみるものの、同極の磁石を近づけた時のように強い力で跳ね返されるのを何度か続けていると、突然、布団の中から僕の右手が伸び、アラームを消すボタンを押した。そのまま、僕の体は上半身を起こし、欠伸と共に、寝癖だらけの後ろ頭を掻いた。  起き上がり、ルームウェアのスウェットの上着に手を突っ込み、ヘソの辺りを掻きながら、バスルームへと移動する。僕の朝は熱いシャワーを浴びることから始まるのだ。  シャワーを浴び、洗顔と同時に髭を剃る。出勤の身支度を整えたら、簡単な朝食を作る。ベーコンエッグとサラダ、トースト2枚。それに牛乳を1杯。それを平らげたら、食べ終えた皿をシンクに付けて、歯磨きをして出社する。いつも通りの朝の光景だ。余裕がある日は会社近くのカフェでコーヒーブレイク。決められたルーティンが、僕の生活をリズムを作る。
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