1.当たり前の日常

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    『…行ってきます…』 静かに玄関を開け、少し歩き門を開き家を出る… 真っ暗な闇の中、月明かりを頼りに慣れた道を月波しずくという女の子が一人歩く。 身長は小柄な方で、髪は少しゆるフワで肩につかない程度の長さだ。色は、少し明るい茶色である。 そんな子の目的地は、いつも一人になりたい時に来る場所…        ー神社ー ここは、幼い頃から何かあるたびに来ていた… いわば、彼女にとっての秘密基地。心の拠り所である。 しずくは、五段くらいある石段を登り、少し歩いて鳥居をくぐり、また少し歩いて三段くらいしかない石段を登り少し歩いて神様が祭られている場所に辿り着く。 目の前には、鈴を鳴らす紐がつる下げられていて、その後ろには賽銭箱があった。 賽銭箱の後ろには、木で出来た階段が数段あり社があった。 しずくはいつも、社の前の階段部分に座っていた。 今日もまた、いつもの様に腰をかけていた… 『…はぁ…』 夜空を見つめ、小さなため息をこぼす?。 季節はー冬ー。 長い時間、そこに居たら凍える寒さ。 でも、しずくはそこに居たかった。なぜならー    
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