第5話 近づくXデー

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「今日も暑くなりそうだな。」 いつものバス停で汗を拭うカズイチ。 ヒフミとの再会から1週間。 勇者カズイチは、平穏な日常を送っていた。 (そういえば、ソロソロXデーが近いな。) いつも通り遅れているバスを待ちながら、 カズイチは、Xデー(父の日)の事を 思い出していた。 一昨年の母の日、カズミは自分にご褒美と いって近所の奥様方とフレンチコースを 楽しみ、数週間後のXデーは、まさかのスルー。 去年の母の日、再びカズミは近所の奥様方と 温泉旅行。 当然カズイチは、ゴネた!精一杯!! カズイチ「仕事疲れたな-。でも、父の日近いし、     頑張らなきゃなー。」 必死のアピール。 針で刺すようにチクチクコツコツ1週間。 ついに迎えたXデー! カズイチの前には一匹の仔犬がいた。U^エ^U~♪ カズミ「可愛いね。仲良くね。お世話よろしくね。」 ナンカ、期待してたのと違う感じがーー。(>_<)? 今年は、伝わりやすい様に傘でゴルフスイング したりしながら (新しいクラブ欲しいなぁ) と、無言のメッセージを送っているが 旅行パンフ片手に近所の奥様方と長電話 しているカズミに伝わっているか 不安で仕方ないカズイチだった。 ちなみに愛犬の名前は、 十三(ジューゾー)に決まったのだが 空気の読める犬の十三は、 マメに散歩してくれるカズイチには懐かず カズミにベッタリである。Σ( ̄□ ̄)!ナニ! 十三のカズミに対するアピールが 家の中のパワーバランスを 若干崩し、家庭内第3位のカズイチは 十三の出現によって第4位に 転落するのだった。(>_<)
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