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次の日、すぐに携帯電話を解約したことを後悔した。
もう少し家具を捨てようと思い立ったのに、便利屋を呼べなかった。
その日のうちに別の携帯会社で契約をした。
僕は、それからは毎日、便利屋を呼びつけた。
家具を一つずつ運び出してもらう。十日もすれば、ほとんどの家具がなくなった。
机とベッドはまだ使う気がしたので残した。
夏服やスーツも捨てることにした。
さすがに衣服の引き取りは有料になると思っていた。
「いつもお世話になっているので」
サービスしてもらえて、得した気分になった。
これだけ、潔く物を捨てたが、あきらかに必要ではないのに、捨てられないものがあった。
イーゼルとキャンバスだった。
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