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そして同時に、ほぼ条件反射として口を突いて、この言葉が出た。
「何か、良い事あった?」
そう。
母のご機嫌の源なんて、大抵こんなもん。
しかもその大半で、どこかに父が絡んでいる。
そして、案の定、
「今度の定休日にね、ケイさんと映画に行くことにしたの」
夫婦円満、万歳! 夕飯予算は、この半額で上げてやるぜ。
「フフッ」と少女のように笑って、いそいそお茶を運んでいく母の背中に
小さく両手を上げて見送る。
そして早くも俺は、思いがけない臨時収入で何をしようかと算段を始めた。
だが、せっかく昼飯当番から解放されたのだ。
まずは、腹ごしらえだろう。
しかし、それをここで作ろうなどとは微塵も思わない。
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