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もう彼にとって、ここでこうする事は
無意識の日常の一部なのかもしれない。
案の定、俺の言葉で気付いたように、
「ええ、まあ……」と少し照れたように眉尻を下げた顔が再び向けられる。
「といっても、今頃、彼女は、お店にいるはずなんですが……」
「ハハハ」と彼は、短く乾いた笑いを声にする。
そして、俺にもバイト帰りなのかと尋ねてきた。
だがそれには、今度は俺が苦笑をする番だった。
「いや、実は……」
俺は、短く先日の合コンの話とそれで持って帰る羽目になったゾウの親子と
その落ち着き先を説明した。
「なんか、分かります。
その手の賑やかしは、僕も、あまり得意ではないので」
そして、こんな同情的に眉尻を下げられたせいだろうか。
俺は、なんとなくあの時の胸のムカつきをボヤくように口にしていた。
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