私を地下鉄から降ろして

「ねえ知香。今日すごい空いてない？」
「3本遅らせると意外に空いてるんだね。」

朝練に行くとき座れたことなんてほとんどないのに、私達は今、座れている。
同じ車両には、他に5、6人いるだけ。

「だからごめんってば～！」

嫌味だと思ったのか、美沙が再び私に謝る。

「うそうそ。もういいよ。う～ん。他校もテスト期間が近いから、どこも朝練してないのかな？」
「じゃあチャンスじゃん！私らはガッツリ練習して、他校に差をつけないと！」
「そうだね。」

そう言いながら、あまりに人が少ないのがやはり不思議で、前の車両をちらっと見た。