私を地下鉄から降ろして

「えっ！！！」
「わっなに！？どうしたの？」
「前の車両、人いっぱいいる…。」
「え？ってえぇー！！なにあれ！」

前の車両には、ここから見える限り、座席は埋まっているし、立っている人も多かった。

「こっちの車両来たらいいのに。何で来ないんだろう？」

何だか、様子がおかしい。この違和感はなんだろう…。

「私、こっち空いてますよって伝えに行くね！」
「えっ！ちょっと美沙！」

美沙が前の車両に向かって歩いていく。
私も慌てて美紗の後ろを付いていく。

ガッガッ！！！

「何これ…。知香、このドア開かない…！」
「えっ！」

ガッガッガッ！！！

「やっぱり駄目だ。壊れてるのかな？」

本当にそうかな？
前の車両、なんかおかしくない？
だって乗ってる人達全員…。