私を地下鉄から降ろして

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あっちは普通に開くのか…。 じゃあホントに、ただの故障なのかな? 「アンタさんは、いかんでいいのかい?」 「えっ!」 突然、前の車両のドア近くに座っている70代くらいのお婆さんに声をかけられた。 「えっと、たぶん待ってたら、こっち戻ってくるんで。」 「…さっきの子はもう、戻って来ないよ。」 「はっ?何言ってるんですか?」 意味がわかんない。このお婆さん、呆けてる? 「さっきの子は、アンタさんよりは軽そうやったから。」 「はっ!?軽そうって何ですか?」 駄目だ。話が全然通じない。めんどくさい人に捕まったかも。 「失礼します。」 お婆さんに一言声をかけると、イライラしながら後ろの車両に向かって歩き出す。 ドアの窓から、美紗と紗亜矢の姿が見えた。
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