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「あの子としたんだから、あたしともしないと不公平でしょ?」
そう言う彼女の表情は、ちょっとだけむくれている。
「えぇっと……」
「なんてね、それじゃあもう行くよ」
いたずらっぽく笑ってからそう言った。
「うん、行ってらっしゃい」
笑顔で彼女を送り出す。
「今までありとう。それと――これからもよろしくね」
そう言い残して、彼女はこの場を後にした。
別に寂しくはない。
彼女たちが本来の姿に戻るだけだ。
色々あったけど、ちゃんと本音を伝えられたし、伝えてもらった。
もう不安はない。
次に彼女と会うときは、なんて声をかけようか。
なんて、そんな些細なことを、今は考えている。
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