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指定時刻の5分前にさつき銀行へ到着した。
俺と聖時。
それに工藤も同行した。
案内の女性に声をかけると「お待ちください」と返答され、その後別室へ案内された。
俺を真ん中に同じソファに一列に座り、出されたお茶を一口含む。
緊張しているのか、誰も言葉を発しない。
10分程度待っただろうか……
「ふう」と、大きく息を吐き出したところで、扉を大きくノックする音が響いた。
その音に三人とも視線を向けた。
ようやくご対面だ。
メガバンクさつき銀行の融資課長。
どんな男か興味はとてもある。
そりゃあそうだ。
なんと言っても聖時の彼女のお兄さんでもあるわけだ。
彼女の姿を思い出す。
会ったのは2回。
会ったというのかすれ違ったというのか……
それでも、彼女に感じたイメージは可憐で清楚な白い花だ。
ほんのりと聖時を包む。
聖時が変わったのは間違いなく彼女のせいだ。
この聖時を180度も変えてしまった彼女の兄。
ほんわりとしたイメージを勝手に抱いてしまっていた。
あんなにも穏やかな人ならば……
話も穏やかに進むんじゃないか。って……
だけど。
俺の浅はかな考えは一瞬で消え去る。
一瞬だ。
本当に……
それはすぐさま危機感へとシフトチェンジされた。
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