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そして、フィンは、初めての夜とまったく同じ順序でカイを愛撫する。
背筋をなぞり肩の骨格につぶさに口づけ、舌を這わせた。
大きな、綺麗な身体。
暖かくていい香りのする肌。
自分が落とすキスと舌の動きに、敏感に反応を見せる筋肉の張り。
大人の男の美しさ。
そのすべてを持つカイ・デ・リーデルに。
掴みかかられ乱暴に引き倒されながらも、カイは、身体中をまさぐる指に舌に、自らの肌が欲望を得ていることを明確に自覚していた。
くちづけは愛撫は、ごく繊細だった。
フィンがカイに触れる指先は、まるでカイがこれまで女たちにしてきたように、繊細でやわらかかった。
ちいさなものを壊してしまわないように、そっとそっと触れるそれと同じだった。
口づけが、胸から下へと降りていき、快感に突き上げられるたびに固く引き締まる腹筋の上をなぞり始めた。
臍の際をくすぐられ、寛骨の端まで舐め上げられて、カイは堪えきれずに腰を浮かせ、背をたわませる。
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