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 そして、今一度、カイのペ二スを深く咥え込むと、ジュッと音を立てて強く吸った。  カイのくちびるから、悲鳴に似た鋭い息が洩れる。  ああ、来る――  カイの胸に、天啓めいて確信が落ちてきた。  あれが。  来る。  指先が滑って行く。  溶かしつけられるぬるみは、自らの淫液なのか相手の唾液なのか。    どうしようもない羞恥に、カイの身体が激しく暴れ出した。  そんな長い手脚を、フィンは器用にマットレスに留め付ける。 「暴れないで、少佐、大丈夫、大丈夫ですから」  それは、宥めるというよりはむしろ、生真面目な下士官の口調だった。  そう繰り返しながら、フィンはカイをくすぐって嬲り、解けさせていく。  「や…めろ、やめてくれ……もう」  切れ切れのカイの声は、もはや懇願としか呼べない震えを帯びていて、無論それが、フィンに聞き入れられるわけもない。  そして、熱い塊がカイを犯した。  反射的な痙攣が腰を震えさせる。カイの腰を、そして……。  フィンの腰を。  カイは、一気に身体の自由を失っていた。  自分自身の大きな身体が、もはや自分ではどうにも取り回しがきかない。  腰に背に回されたフィンの腕に寄る辺なくすべてを預け、ただ身体を揺らされる。  「心配ない、心配ない(フェーン・ゾルフェン)」と。  カイの耳朶へと囁き続ける声は、あの夜とまったく同じだった。
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