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 犯人がネット上に残していた数々の言葉の中には、様々な過激思想への関心が言及されてはいた。  しかし、そのいずれも、言うなれば「目くらまし」に過ぎぬようなもので、犯人が、本心からそれらに共鳴しているとは到底みなしえず、そして共犯者の存在が特定されることもなかった。  当該行為が「テロ」と呼ばれるに必要な「イデオロギー」というものの存在。  その欠片すら、犯人に見出すことはできなかった。  代わりにあったのは、社会に対するただの「僻み」と「嫉み」。  そして、救いようのないほどの「孤独」だけ――  爆発は、いうなれば「自殺」への壮大な道連れと巻き添えの強要。  ただ、それだけのことだった。  そしてそれに巻き込まれ、リーケは死んだ。  つまびらかになった爆破事件のそんな全貌に。  カイは、苦いものを飲み下すようにして、口もとを震わせるしかなかった。
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