1話

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桜の花も散り、春の終を感じさせるようになった。 朝方と夜は寒いのに、昼間は暑かったり。かと言ったら1日中寒かったり、気温の変化が激しい日々だ。 頼むからどっちかにしてくれとうんざんりしながら俺、日村 正樹はいつものコースをランニングしている。明朝から走るのは眠気を取るのにとてもいい。 どんどん太陽の出ている時間が長くなってきてはいるが、まだこの時間は薄暗い。こんな朝早いのに出勤している人もいる。将来は俺もこんなふうになるんだろうか。そうなったら朝のランニングはさすがにやめるだろう。 いつもだったらランニングが終わればバイトだったりサークルに顔を出すのだが、今日は特別な用事がある。 今日は、祖父の四十九日なのだ。
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