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卒業アルバム 睦月純也
「あ」
宗介さんの出勤後、部屋の掃除をしていたら宗介さんの卒アルを発見!
「これ絶対見るっしょ……」
勝手に見て良いものか少し悩んだけど好奇心が勝つ。
何組だったのかな。
パラパラとページをめくると、直ぐに発見した。
「マジか……」
割とヤンキー多めな高校っぽいけど宗介さんはなんと無く、そう言うイメージと違って…
髪色は珍しいアッシュグレーで他のクラスメイトと比べて大人っぽく見える。
髪型自体は今と変わらずセットしてるとは思えない。
天パーなのかな。
前髪から覗く気怠そうな垂れ目だけどキツい眼つき、ブレザーがまた似合ってる。
「やば…カッコいい」
さらにパラパラと他のページに写ってないか探す。
部活には、入って無い様子。
体育祭写真のページに発見。
男同士4人で肩を組み、笑ってる写真だった。鉢巻が新鮮。そしてこの笑顔……たまんねー。
こうして見ると高校生らしく、あどけなさが有る。
この時に出会ってても絶対俺好きになってそう。
もぉーーっ!俺どうしてこんなに好きになっちゃったんだよー!!
アルバムを抱えて赤面する。
そうだ。ケータイで写真撮って置こう。
アルバムを再び開いて高校生の宗介さんにケータイカメラのピントを合わせる。
「お前なにやってんの?」
!
「そ、宗介さんっ!?あれ?」
青ざめて目線を上げると、宗介さんがニヤニヤ笑って立って居た。
「忘れもの~」
み、見られた……
チーーン。
「な、写真欲しいなら一緒に撮ろうぜ」
いきなり宗介さんが俺の肩を抱き寄せて来たかと思うと密着したのと同士に俺の起動していたケータイカメラでパチリと写真を撮った。
そんな急に撮るなんて!
「スゲーいー写真じゃん」
赤面して目を泳がす俺とニンマリ笑う宗介さんが写っていた。
こんなっ。俺めちゃカッコ悪いじゃねーか、嫌だ!
撮り直したいけど、そんな事言い出せず……
「アルバムの俺にも惚れちゃった?睦月かわいーね」
「……っ!」
「じゃ、俺行くねー。ごゆっくり~」
バタン。
閉じられた玄関を俺は見つめた。
…………不覚。
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