春爛漫2 睦月純也

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春爛漫2 睦月純也

「睦月、明日休みだろ?」 だから仕事上がりにこうやって飲みに来たんですが何か? 菊間宗介が帰宅すれば部屋で会えるのに、来ちゃいましたが何かぁ!? 「……」 ビールジョッキ片手に無言で頷く。 「いい酒入ったけど飲むか?」 じとーーーっ。 今夜は酔わせて襲う気か……? 「そんな目で見んなよ。何も企んでねーし」 「頂きます」 来るなら恋?……あ、来い! 生ビールを飲みながら カウンター越しに宗介さんを見る。 包丁を握る姿、カッコイイ…… 宗介さんつまみに何杯でも行けそう。 (いや、悪酔いするだろ) 「ほら、コレ食っとけよ」 皿の上には手まり寿司が3つ綺麗に乗っていた。 「空きっ腹に飲むと悪酔いするぞ」 ズキューーーーーーン!!! 自然にオットコマエな事しないでくれぇ~っ。 赤面してカウンター越しに受け取る。 「茂、もう終わりだし、お前も上がっていーぞ。 もし時間あんならお前も飲んでけば?」 「菊さんあざっす!睦月くん隣いかな?」 茂くんはKIKUYAのオープン当初から働く29歳のスタッフさん。 口の中が真鯛と菜花の手まり寿司でいっぱいの為、言葉に出来ず、もぐもぐしながらコクリと頷く。     
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