2人の空間 睦月純也

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2人の空間 睦月純也

「やばっ!遅刻!」 「ん……んん~」 「なんで目覚まし止めちまうワケ~!?」 パシッん。 起き上がろうとしたが、左手首を掴まれる。 「おま、今日休み……」 そうだった。 「ご、ごめん」 あれから3人で盛り上がっちゃって 帰宅したのは夜中3時過ぎ。 「許さねー」 ガッチリと腰からホールドされてしまう。 も…… そのままの姿勢でグウグウと宗介さんは眠りに落ちる。 悪い事した。 宗介さんは仕事柄夜がメインだし。 こうして毎日朝早く起こされちゃ たまったもんじゃねーよな…… 別々に寝た方が良いんじゃないだろうか。 「ヨダレ垂れすぎ」 俺の腰に腕を絡めたまま眠る宗介さんが愛おしい。 一緒のベッドで体温を感じて眠りたいのは俺のワガママだろうか。 宗介さんの腕を解きベッドから降りて伸びをする。 「ん、ん~~っ」 昨日飲みすぎたから、喉がカラカラだ。 冷蔵庫から水を取り出す。 コップに移そうとしたが宗介さんがいつもする様に そのまま口を付けてゴキュゴキュ飲んだ。 キュン。間接キス…… って俺は乙女かよ! 台所からダイニングを眺めた。まだ見慣れない宗介さんの部屋。 2人だと狭いけどアパートの更新が1年残ってるから、そのタイミングで引っ越しするか?って宗介さんが提案して来た。 俺はここでも良い…… この空間位が、宗介さんに近くていい。 引っ越しして来て始めての休日。 何しようかな…… とりあえず風呂に入ろ。時間は有るし、ゆっくり浸かって身体に残るアルコールを汗で流そう。
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