2

2/4
前へ
/10ページ
次へ
毎日みんなが帰った後、一人事務所のパソコンに向かう。 私達パートの残業が終わる時間でも関係ない、家に帰るのは午後十時。 本来の通常帰宅時間は夕方の五時。 そんな話を聞いていた私は、気が付くといつも隣でパソコンをいじるようになっていた。 メニュー作り、発注、書類の整理からアンケート用紙のコピー そしてその日の不満や愚痴。 なんでもした。なんでも聞いた。 負担になるもの全て私に預けてほしいと思った。 私と出会う前に心を病んだことがある話をしてくれた。 私が誰にも言わずにいた前の職場の話をした日に。 私が悪かった事、わかっているつもりなのに受け入れられない事。 全部を吐き出した私を、自分を受け入れられない私を、貴方が受け入れてくれた。 私が私を好きになれない分、貴方が好きになってくれた。 だから今度は私が貴方を受け入れる番だと思った。 私が貴方を支える番だと思った。 依存か、勘違いか、ただ寂しかっただけか。 悩んで考えて頭が痛くなって……。 何度考え直しても『それでも好き』それだけしか残らなかった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加