あなたについた嘘の数

2

「俺がもし結婚してなかったら、結婚してくれた？」

何度か聞かれたこの質問。
初めは「どうかな」「なれてたらいいね」なんて誤魔化して
だんだん耐えられなくなって言ってしまった私の気持ち。

「その質問好きじゃない。」
ムスッとして答えた私以上に不満そうだった。
私は自他ともに認めるネガティブで、仮定なんて不安定なものが怖い。

『結婚してなかったら』
もう結婚してるから貴女とはそんな未来はないけれど
してなかった事が現実だったなら……。
そう言われている気がした。今を否定されている気がした。

これからの未来を、貴方との関係を、一緒に居る事の意味を

そして私を、在りえないものだと言われている気がした。

そんな意味を含めた言葉ではないと知りながら。

私は臆病で単純で弱い。
繊細なんて真っ白な言葉を使うにはもったいない。
あわよくば……なんて言いながら絶対が欲しい貪欲な醜い生き物。